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【熱中症対策】夏場の愛犬との過ごし方【簡単・省エネ】

「ちょっと暑いくらいなら大丈夫かな」

その大雑把な室温管理が愛犬に甚大な健康被害を齎すかもしれません。

犬は人間以上に高温多湿が苦手。

特に夏場は熱中症のリスクが伴うため注意が必要な季節です。

けれど、熱中症対策自体はすぐに実践できる簡単な内容です。

愛犬にとって適切な住環境を整え、熱中症を予防しましょう。

夏場が犬にとって辛い理由

夏場が犬にとって辛い理由は2つあります。

  1. 体温調節機能が乏しい
  2. 熱中症リスクの高い犬種がいる

それぞれ解説していきます。

体温調整機能が乏しい

犬は人間と比較すると体温調整機能が乏しいため、暑さには特に弱いです。

人間は暑いと汗をかいて体温を調整しますが、犬は汗をかくことができません。

犬の体温調整機能が乏しいことには以下の2つが関係しています。

  • パンティング
  • 暑くても汗をかけない

それぞれの機能を解説していきます。

パンティング

犬が舌を出して、「ハァハァ」と呼吸を繰り返す行為をパンティングと呼びます。

パンティングによって体内の熱を吐き出し、涼しい空気を取り込み、舌に付着した水分の気化熱を利用して体温を調節します。

※気化熱…液体が気体へと蒸発した際に奪われる熱

暑くても汗をかけない

汗腺はエクリン腺とアポクリン腺の2つがあります。

それぞれの特徴は以下のようになります。

エクリン腺:温熱刺激により汗を放出する。体温調整機能を持つ。

アポクリン腺:精神的刺激により汗を放出する。性ホルモンや臭いの原因。

体温調整機能を持つエクリン腺を人間は全身に備わっていますが、犬は鼻と肉球にしか備わっておらず、しかも体温調整としてはほとんど機能しません。

アポクリン腺は犬でも全身に備わっていますが、暑さに反応して汗を放出できません。

つまり、犬は人間よりも体温調整機能が劣ります。

熱中症リスクの高い犬種

熱中症リスクの高い犬種は7つあります。

  1. 短頭種
  2. 短足種
  3. 北欧種
  4. 黒毛種
  5. シングルコート
  6. 肥満犬
  7. 幼年・高齢期

それぞれの特徴を解説していきます。

1. 短頭種

他の犬種と比較して気道が狭く密集しているため、パンティングによる体温調整が他の犬種より劣っています。

主な犬種:フレンチ・ブルドッグ、パグ、チワワ

2. 短足種

体が地表から近くなるため、照り返しの影響を受けやすいです。

室内で過ごす分には影響は少ないですが、散歩に連れて行く際などには注意が必要です。

主な犬種:ミニチュアダックスフンド、ペキニーズ、シーズー

3. 北欧種

寒冷地に生息しているため、寒さに耐性がある反面暑さには弱いです。

室内外問わず夏場は徹底した温度管理が必要になります。

主な犬種:シベリアン・ハスキー、サモエド

4. 黒毛種

熱吸収率は色素によって異なります。

黒色は、特に吸収率が高いので、熱を抱え込みやすいです。

夏場に帽子を付けているのもこのため。

逆に白・黄色といった明るい色は、熱反射率が高いです。

主な犬種:トイプードル、ポメラニアン、ミニチュアシュナウザー

5. シングルコート

犬の被毛は2種類あります。

シングルコート:寒暖期に合わせて毛量を調整できない。抜け毛が少ない。

ダブルコート:寒暖期に合わせて毛量を調整する。抜け毛が多い

シングルコートはダブルコートと比較すると、温度変化に対する耐性がやや劣ります。

6. 肥満犬

肥満になると、厚い皮下脂肪に阻まれて体温が体表に伝わりにくく、暑さに鈍感になります。

また気道も圧迫され、体温調整機能が標準的な体格と比較して劣ります。

7. 子犬・高齢期

幼年・高齢犬は体温調整機能だけでなく、体が弱く、体調を崩しやすいため夏場以外でも注意が必要な時期です。

様々な健康トラブルが想定されるため、細かいケアが必要です。

簡単にできる熱中症対策

犬の熱中症対策は、以下の温度・湿度を目安にしてください。

温度:23~26℃

湿度:50%前後

※上記数値はあくまで目安の為、犬種の毛質・環境・季節によって調整します。

基本的にこれらを満たす環境作りが一番効果的な熱中症対策です。

急激な温度変化により体調を崩すケースも想定されるため、温度・湿度は可能な限り一定に保つようにしましょう。

エアコン

一番確実な方法ですが、費用も一番かかります。

エアコンは設定温度を1℃下げるだけでも消費電力が格段に上がってしまいますが、26、27℃設定にして、その他室温を下げる工夫をすることでコストカットが期待できます。

扇風機

扇風機は体感温度を下げるだけで室温調整機能は持たないため、エアコンとの併用がおすすめ。

扇風機の風に直接当たり続けると低体温症のリスクがあるため、長時間の使用の際には注意が必要です。

なので扇風機は、室内の冷気を循環させる目的での使用を推奨しています。

節約ポイント:扇風機の風が当たる範囲に、氷水を入れたペットボトルなどを配置しておくことで室内がより冷え込みやすくなる。

室温を上げない工夫

遮光カーテンを用いることで室温の上昇を防ぎます。

遮光カーテンは夏場だけでなく冬場の室温低下を防ぐ際にも有効です。

適切な水分量の確保

犬の一日の水分量目安は体重1kgあたり50mlが目安です。

夏場は室温上昇を考慮に入れて、気持ち多めに与えるのがベスト。

ただし、ウェットフードなど別で水分量を確保している場合などにはその都度考慮する必要があります。

逆に、あまり水を飲まない日はウェットフードで補完することもできます。

外出時の対策

外出時には、エアコンや扇風機などを利用した環境作りを整えれば基本的に問題ありません。

しかし、室温湿度以外にも小まめな水分確保が必要になるため、適宜見守りも必要になってきます。

長時間留守にする場合は、ドッグホテル・サロンによる日帰り利用も検討してみてください。

ドッグサロン・ホテルの日帰り利用の相場は以下のようになります。

ドッグサロン・ホテル日帰り利用の相場:約2,000~5,000円

※体重やオプションによって変動

犬の熱中症の症状

犬が熱中症を発症すると、以下のような初期症状が現れます。

  • 苦しそうに呼吸をする
  • 唾液量が多い
  • 体を触ると熱い
  • 目が充血している
  • ぐったりしている

症状が現れた際には、すぐに獣医師に診察することをおすすめします。

また移動中の車内や発症直後に適切な応急処置を施すことで、重鎮化を防ぐことができます。

応急処置

犬の熱中症の応急処置には主に3つ挙げられます。

  1. スポーツドリンクを飲ませる
  2. 体を冷やす
  3. 体温を測る

それぞれ解説していきます。

1. スポーツドリンクを飲ませる

スポーツドリンクには、水分補給やエネルギー吸収に役立つ塩分・糖度が豊富に含まれています。

ただし、人間用のスポーツドリンクは犬には濃度が高いため、5倍程度希釈してから飲ませてください。

犬用スポーツドリンクも販売されているので、迅速な対応をするために夏場は常備しておくことをおすすめします。

2. 体を冷やす

体を冷やす際には以下の方法を試してみてください。

  • 涼しい場所に移動させる
  • 扇風機や団扇を使って風を送る
  • 水をかける
  • 頸動脈・鼠径部・脇の下を冷やす

急激な温度変化を加えると血管が収縮して逆効果です。

なので、水をかける時は冷水にせず、保冷剤を使用する際は直接当てずにタオルで包んだりして対応しましょう。

3. 体温を測る

熱中症を発症すると体温が平熱より上がっているので、体温確認が確実です。

犬の平熱は38℃前後です。

夏場の散歩について

犬の適切な温度は23〜26℃なので、太陽がてらてらな暑い日の散歩は非推奨。

また夏場は気温だけでなく、路面の温度にも注意してください。

犬は人よりも体高が低く、地面に体が近い為+10℃以上も体感温度が違います。

路面の温度にも注視する必要があることは、学生時代のプール授業をイメージすると分かりやすいと思います。

水槽内は温くて気持ち良いですが、プールサイドは火傷しそうなほど暑かったことかと思われます。

犬の散歩もプールサイドと同じで、裸足で暑い地面を歩き続けると火傷の危険があります。

もし、夏場に散歩に連れて行く場合は、夜間で路面も冷えて、比較的涼しい早朝帯を選ぶのが望ましいでしょう。

愛犬と共に夏を乗り切ろう

記事のポイントまとめです。

  • 室温23~26℃、湿度50%前後を目安にする
  • エアコンだけでなく、扇風機や遮光カーテンを併用することでコストカット
  • 応急処置用に犬用スポーツドリンクを常備しておくと安心

熱中症は適切な環境を整えることが一番の対策です。

夏は犬だけではなく、人間にとっても辛い季節ですが、花火やお祭り、海水浴など楽しいイベントも盛り沢山。

お出かけする際も車内環境に気を配り、愛犬と楽しい夏を過ごせるようにしましょう。